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津波警報!?

今朝は目が覚めたら津波のニュースでもちきりでした。
チリの方での地震が原因らしいですね。
夜になって改めてそのニュースを見たいと思ったら、今日は安保関連のニュースが加熱していて、あまりこの件についてのニュースを見られませんでした。
(私が安保関連のニュースばかり気にしていたせいかもしれませんが・・・)


311以降、災害マップを作るにあたり、古い地名から危険地帯を探す活動が増えているようですね。
こういった場合、東京都の東部では大概葛飾区や江戸川区墨田区江東区などの、中世には葛西郡と呼ばれた地域は真っ先に槍玉に挙げられます。

まあ海抜0m地帯と呼ばれる地域で、水害には明らかに弱い地域ですからね・・・
そのほか、日比谷を中心とした皇居東南部辺りの地域も、ちょくちょく名前が挙がります。
ただ都内、特に東部では、複雑な事情が複数絡むため、必ずしもあてにならない場合もあります。

 

まずは地名の統合・変更について言うと、徳川家康が1590年に江戸に入り、1600年に江戸幕府を開いてからは、人口の流入が一気に増加し、それまでの郷村名だけでは当然管理しきれなくなります。
江戸時代には世界で初めての100万都市と言われる大都市が形成され、その後の明治、大正、昭和と、人口は増加の一途を辿り、これにより地名が沢山増えましたが、逆に失われた地名も多数あります。
また統合する際に、古い地名が縁起悪そうだからと、新しい地名に変更した例もあります。

つまり、現在の東京では400年前の地名さえ、そのままでは残っていない場合も多いのです。

 

次は人の手による地形の変更についてですが、これも徳川家康が江戸に入府してから、江戸城の真下にあった日比谷の入り江の埋め立てを初め、江戸湾に浮かぶ小島だった築地や佃島を陸地内に取り込むまで付近の海を埋め立てるなど、沿岸部の埋め立てにより、海岸線を大きく変更しています。
他にも有名な利根川の東遷は、かつて葛飾郡と呼ばれた地域に流れ込む大河の氾濫を減少させるための大工事です。
なお東京湾の沿岸部の埋め立てはその後も現在に至るまで長期にわたって行われ、今では江戸時代以前の海岸線はどこにあったのかを探すのも困難なほどです。
また、荒川や中川などの放水路も新たに建設され、今ではどの水路がいつからあったのかも分かり難い状態になっています。


その他にも、そもそも地球規模の変化があります。
特にこの地域では、縄文海進・海退の影響をモロに受けていて、縄文海進の頃には、南から江戸川区江東区、葛飾区、墨田区などだけでなく、埼玉県の方まで海が進出していたようで、その後縄文海退を経て、長い年月をかけて海岸線が現在に近いものになりました。
浅草寺の境内では、かつて海の底だった証拠として貝殻が見つかることもあるようです。
また、今から1500年前までは葛飾区辺りは住める場所も限定されていたようで、
この地域からは、古墳時代の遺跡が多数発掘されるものの、その場所はかなり限定されているようです。
そう考えると、たかだか数百年から千年ちょっとぐらいの地名の歴史ではこの地域の本当の姿を見るのは難しいと考えられます。

 

もちろん311の時のように、過去の災害の記憶を辿ることで避けられるかもしれない災害があるのなら、多少疑わしくてもまずは身の安全を図ることが第一ですが、逆に東京都の東部の場合は、過去には起こりえなかった新たな災害が起こる可能性を視野に入れるべきだと思います。

例えば、東京の津波被害が記憶にある方はあまりいないと思いますが、明治と大正に、それぞれ大規模な津波被害に遭った事があるようです。
特に大正時代の津波は、隅田川を遡って本所・深川まで浸水したと言うことです。

 

ここで注意したいのが、大正時代にはなかった川がこの地域には増えていることです。
現在江東区江戸川区には、荒川放水路、中川放水路と呼ばれる大きな川がありますが、
これらは過去の水害、特にカスリーン台風のような大雨の対策として昭和になってから建設されました。
しかし、これらの放水路は大正の津波を経験していません。
つまり、過去の事例を見ているだけでは、本当の意味で東京の水害対策について安心することは出来ないのです。

地形を変えるほどの水害対策を始めてから400年ほど経っていますが、現在でも経験していない災害がこの地域には多数存在しています。

もちろん放水路が作られた当時は大正の津波の経験を知っている頃なので、津波対策を考えていないわけではないと思いますが、「今までそんな災害なかったから」と油断するのは大変危険だということを再認識することが大事です。


テレビや雑誌などで喧伝される大袈裟な煽りは如何なものかと思いますが、自分の身を守れるのは行政ではなく自分自身だということを改めて認識し、注意報や警報などにはすぐ対応できるように準備しておく必要はあるのではないでしょうか。

 

災害対策は、ほぼ何も出来ていない私からお送り致します。